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DNAアレイで男性型脱毛症の方とそうでない方の二者の毛乳頭細胞を比べることで、何千ある遺伝子の中から増減が確認されたものが107種類。私たちはその中に真の原因があるはずと考え、研究を進めました。
まず可能性のあるその107種類のタンパク質について、国内外の文献・学術論文を片端から調べ、毛髪や男性ホルモンに関係してそうなものをピックアップしました。次に、それらが、毛が作られるときに関係しているのかを実際に生体において観察したり、毛乳頭細胞に男性ホルモンを添加したりという実験を繰り返しました。その結果、私たちが最終的にたどり着いたのが、NT-4というタンパク質でした。
例えば落葉というのは、葉っぱの付け根で細胞の自殺、すなわちアポトーシスが起きて生じる現象であるのですが、毛髪において、そのアポトーシスを誘導するタンパク質の一つがNT-4であり、自然な毛髪の生え変わりにも関わっています。男性型脱毛症の方では、そうでない方よりも、NT-4が増えている。もしかしたら、そのNT-4こそ、男性型脱毛症の根本的な原因の一つなのかもしれない。そこでNT-4に注目し、深く研究を進めました。
