開発者インタビュー

栗田啓
男性型脱毛症の原因の一つを発見


ライオンの男性型脱毛症の研究の集大成として発売された「薬用毛髪力ZZ」。これまでのものに比べてどこが一番大きく変わったのか。さらにそこに至るまでの開発秘話などを、開発者の栗田啓さんに伺ってみました。

栗田啓さん プロフィール
ライオン研究開発本部生物科学研究所所属
1996年にライオン入社。以来、一貫して毛髪科学に関する基礎研究に携わる。「薬用毛髪力ZZ」では男性型脱毛症の発症メカニズムの解明、そしてNT-4抑制効果を持つシーズの開発に関する研究グループのリーダー。


「毛髪力」のこれまでの歩み
「毛髪力」のこれまでの歩み
ライオンでは、1980年代より、男性型脱毛症の発症原因を探ってきました。その当時は、毛根の細胞において発毛に必要なエネルギーが減っていることを確認し、足りなくなっているものを補充するという考え方で開発を進めていました。その結果、ペンタデカン酸グリセリドという、有効性の高い成分が見出されてきました。しかし、その後、研究を進めていくにつれ、これまで以上のものを作るためには、男性型脱毛症の根本的な原因を突き詰めていかなければならないと強く考えました。そこで、私たちは徳島大学の荒瀬教授と共に、DNAアレイという方法を用いて、男性型脱毛症の方とそうでない方の毛乳頭細胞とを遺伝子レベルで比較し原因を探りました。
このDNAアレイという方法は、一度で何千、何万種類もの遺伝子の変化を見ることができるというもの。それによって二者の毛乳頭細胞を比べると、男性型脱毛症の方の脱毛部において、そうでない方に比べて、著しく減少しているタンパク質が見つかったのです。脱毛部において少なくなっているというのは、つまり、そのタンパク質が減ったから毛髪が抜けてしまったと考えられるのではないか。そこで減少したタンパク質の中でもより発毛に関係が濃厚なBMP(Bone Morphogenetic Protein)とエフリンを、発毛を促進するシグナル(発毛促進シグナル)の代表としてピックアップし、発毛シグナルの減少を予防する効果を持つサイトプリンを配合したものが、2003年に発売された「薬用毛髪力イノベート」でした。
BMP・エフリンというのは、男性型脱毛症の方で確かに減っているタンパク質であり、また、これらのタンパク質は毛髪の成長に関与しているのは間違いないのですが、男性型脱毛症の原因、つまり、男性ホルモンにより変動するタンパク質であるかどうかということは分かっていませんでした。そこで、私たちは、当初の目的である「男性型脱毛症の根本的な原因を突き止める」ために、さらに研究を進めました。

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